パラダイムが崩壊する相場

『アライブ-最終進化的少年-』という漫画をご存じだろうか。ある日突然、世界中で大量の自殺者が発生し始め、「生>死(生は死よりも良いに決まっている)」という通念に疑いのない我々の社会に、「死>生(死の方がより良きものなのだ)」という新たな視点が突然突きつけられる、という衝撃的オープニングで書き始められる漫画である(ただし、切り口は良いのだが、内容的に竜頭蛇尾。俺様はまとめ買いしてコミックを10巻まで読んだ)。

今の東京市場はまさにそんな感じで、既存のパラダイムを根こそぎ否定するような売りが、年初来の主役であった、鉄鋼・非鉄・商社・石油関連といった所謂「ディーリング銘柄」を中心に容赦なく徹底的に出まくっている。非鉄と商社が特に酷くて、今月に入ってから一直線に15%程度下げている。非鉄などは7/23の年初来高値圏から、一気に25%程度だ。そうした下げには無関心を装っていた唯一のセクター商船株も、今日突然崩れ、一日で7-8%下げた。コマツ日立建機オークマなどの機械株も昨日から崩れている。

指数では最近下げが続いていたテクノロジー関連や銀行株がリバーサルしているために、現時点(14:30)で日経平均にして110円上げているが、平穏なのは指数だけで、中身たるや強烈。人によっては、体感800円ほどの下げなんじゃないだろうか。非常に不気味な状況である。

一体何があったのだろう。当たり前に考えれば、大型のファンドの連鎖破綻か。恐らくそれは間違いなく、それに加えて預金保険機構郵貯機械的実弾売り、ディーラーを含めた目先筋の狼狽売りが、三重らせん構造になっているものと思われる。それらが、バカンスシーズンや政局不安、さらには10月からの日銀売りへの不安を背景に、加速しているのだと。

かと思えば、必ずしも全面安ではなく、三菱電機やガイシ、イビデンなどの好業績株は徹底的に上昇しているし、任天堂も崩れてはいない。最近下げていた銘柄群のリバーサルもある。

とするとやはり、最近調子に乗っていたファンドの連鎖破綻が最大の原因か。であるならば、今年も8/15あたりがV字の底になる可能性もある。暫くは、決めつけすることなくあらゆるシナリオに素早く対応するために、努々(ゆめゆめ)余力を失わずに、スタンバイするところだと思う。

そんな俺様は、今日もデイトレで日銭を稼ぎ、キャッシュポジション100%で終了。これだけ大きく動きながら、スマッシュヒットを打てていないことには満足できないが、焦ることはない。負けなければ、必ずイージーボールが来るのだから。

体調もすこぶる良い。今月に入って一度もオーバーナイトしてないからよく眠れているし、先月からまったくと言って良いほど負けていないからだ。最後はやはり、冷静な判断でもって自分の能力の全てをぶつけることができるかどうか。いつ来るかわからない大チャンスのために、脳みそだけはすっきりさせておこうと思っている。