パーティ行かなあかんねん

kemurin012006-12-24


今日はクリスマス・イブだった。

フランスでのクリスマスは殆どの人が家庭で家族と共に美しく過ごす。そういうわけで俺達も今日はそれに倣ってアパルトマンの中でホームパーティをした。料理の大半は昨日のエントリーで書いた歩いて5分の商店街で調達することが出来た。食卓に上ったのは、昨日マドレーヌ寺院の横の本店で買ってきておいたFaushonのビュッシュドノエル、大振りのクリスマス的に調理されたロブスターの半身×2、グリルドチキン、エピスの(沢山のスパイスが塗された)シェーブルチーズ、ロゼのシャンパーニュラナンキュラスの花束、そして歩いて15分のところで週に一度だけの今日開かれていた「ラスパイユのマルシェ」で買ってきた自然農法によって作られたマダガスカル産のライチ。

いや大袈裟ではなく、完璧な食卓だった。想定していた枠を越えて、どれもが美味しかった。特に一人一つずつ食べた伊勢エビが物凄く美味しかった。日本で食べるそれよりも大振りで味わいが深く、今まで食べたものの中で一番だった。一つ28ユーロしたので、買う前は「やや高めだな、寿値段か?」などと思ったりもしたが、食べたあとは全くの納得価格で、むしろ安く思えたし、財布のひもがとても固いフランス人達が挙って買っていった理由が事後的にとてもよく分かった。

他のどの料理も外れが全くなかったのだけれど、ライチがまた驚くほど美味しかった。実はこれ、このアパルトマンを世話していただいたフランス在住歴16年の女性に教えていただいたのだけれど、この時期にだけ登場するオーガニックライチは今までのライチ観を覆すような味覚だった。飛び抜けて瑞々しく、突き抜けるほど香り高く、そしてなにより高貴だった。楊貴妃が愛したのは「この」ライチなのだと二人で驚き合った。

そんなこんなで、素晴らしい一日だった。俺達は結婚して5年目に突入しているのであるが、その5回ともが毎年新しく限界が更新され、世界の臨界の認識が拡張され続けていることに明日への希望を感じている。当たり前のことだけれど、自己の破壊の可能性こそが我々の希望だ。

今晩はこのあと、夜10時から行われるマドレーヌ寺院のクリスマスミサに行ってくる。未知なる経験との邂逅は何時もエキサイティングだ。