アネモネ咲いた
少し前にも書いたけど、近年園芸好きな俺様である。アルマーニとヴァレンチノに身を包み、世界中を自由に旅しながら家では花を育てる。前半部分はともかく、最後の部分は自分的には未だ意外感がある。20代までは全くこういうことに興味がなかったものだから、自分の変貌ぶりに驚くと共に、他者的視線を設定すると多少の恥ずかしさを覚えてしまう。
しかしながらそれでも、花を育てるのは好きだ。俺様のような遊んでばかりいる人間の庭にも太陽の光はさんさんと降り注ぎ、花も花で、僕にもその美しき絶対無二の容貌を余すことなく伝えてくれる。
一切の宇宙の断片には宇宙の全ての様相が完全に内包されているはずだけれど、花は特に象徴的だと思う。
俺は殺人を犯したことはないけれど、きっと殺人者が花を育てても花は咲く。他の庭と同じように、世界で一番美しい花がきっと咲く。
其処も好きだ。其処が好きだ。