30th/Aug/2006 Highland-day1

kemurin012006-08-30


ついに来ちゃったよ、ハイランドに。思えば、二年前のパリ在住時代にビザの関係からスコットランドエジンバラを訪れ、エジンバラ城近くのインフォメーションセンターでイギリス最北の地ハイランドの写真を幾つか見たのが今回の旅の始まり。それ以来俺様とワイフは、その別世界感たっぷりの写真達の「向こう側の世界」に憧れ続けていました。

インヴァネス空港に飛行機がアプローチする。高度を下げ、ハイランドの空らしく通常よりぶ厚めの雲を上から下に突き抜け現れた世界は、魔法じみていた。今まで俺達が訪れたどの世界とも違う、グリーンと黄土色に塗り分けられた不思議な世界。それは飛行機を降り、乗り物の主体をレンタカーに変えても途切れることのないミステリアスな感触。今日早速、インヴァネスから20分で行けるネス湖に行ってきたけれども、最大深度29メートルの湖にネッシーなどという非科学的な組み合わせは、通常の場所からはそもそもエピソードの発生すら許されないが、このハイランドのミステリアスさが故の産物だとするならば、その夢物語は肯定的にさえ感じられる。

今日の写真は、ネス湖の湖岸に美しく佇む「アーカート城(Urquhart Castle)」です。それは美しく朽ち、朽ちることによって一層、美しきハイランドの自然に溶け込むように流れていました。目に映る個体的な物も、それは決して留まることなくこの瞬間も流動的に流れています。此処ハイランドの地で、連続する丘とそれを優しくコーティングする緑の絨毯を全視界的に見つめながら、俺様達はこれからどんな経験をするのでしょうか。それは明日以降の夢の話。