シャトーディケムという奇跡

さらっと書いただけのシャトーディケムに関するエントリの反応が良いのでもう少し追加で書くぜ、この野郎!

知っている人には退屈な話かもしれないが、このワインは別名「王のワイン」と呼ばれていて、その格付けは、有名なボルドー五大シャトー「シャトーラフィット」「シャトーラトゥール」「シャトームートン」「シャトーオーブリオン」「シャトーマルゴー」のみが『最高級の』一級なのにも関わらず、このシャトーディケムだけは例外的格付けの『特別 第1特級』。正真正銘の別格、というヤツだ。

もちろん、ディケムは他の赤ワインや一般的な白ワインとは違って極甘口のソーテルヌ、いわゆる貴腐ワインであってすなわちカテゴリーはデザートワイン、つまり食中ワインである他のワイン達とは並列の比較は出来ないものの、そういったカテゴリーの違いを充分に認識した上でも、この奇跡のワインはフランスワインの最高峰の一つだと俺様は確信している。ロマネコンティなど数少ないワインがこの奇跡の領域に同じく突入することはあっても、見劣りすることはあり得ないという意味に於いて。しかも食中ワインは最高の食事とともに頂くからこそ充分に旨いのであってそれ単体では最高のパフォーマンスを発揮しない。その点からも、ディケムは一切のつまみを必要としないので、どんな環境の誰にでも奇跡を体験できる失敗のないワインといえるだろう。

ま、無味乾燥な言葉での説明などどうだって良い。とにかく一度飲んでみるがよろし。俺様は、シャトーディケムを経験するかどうかで、「人間の属性」が変わるとさえ思っている。つまり、男か女とか、童貞か非童貞か、のような属性の一つが、「ディケム前かディケム後」かで変わる。アメリカンエキスプレスの入会申込書の丸を付ける欄の男女かどうかの次くらいに「あなたはシャトーディケム体験後ですか、体験前ですか」くらいの欄があってもおかしくない、とさえ俺は思っている。大袈裟に聞こえるとは思うが、まぁそれくらいインパクトのある体験ができると言うことだ。

下のコメント欄でも書いたが、食中ワインのように一度に沢山飲むものではないので、二人で飲むなら買うのはハーフボトルで充分だ。それでも三分の一ずつ三回も楽しめる。王のワインの名前は伊達ではなく、生命力が強いので、他のワインのように開栓したら翌日までに飲まなければ味が悪くなってしまうということは全くない。開栓後にサランラップを二重にして輪ゴムでしっかり止めておけば、10日くらいは平気でトップクオリティのまま保存できる。1ヶ月近く大丈夫なんじゃないだろうか。むしろ本当に美味しいのは開栓初日よりも翌日以降。だから一気に飲まずにハーフなら三分の一ずつ三回に分けて飲んで欲しい。奇跡の変遷が楽しめる。そして今買うなら、95年か96年辺りの物がお勧めだ。2000年以降の物は評価が高くてもまだ若すぎる。値段とのバランスを考えても10年程度の物がちょうど良いのだが、95年のものは91年以降で最高ランクなので少し値段が張るから96年か97年のものでも良いだろう。92年と94年の物は値段が安いが味も少し劣るので記念すべきファーストエクスペリエンスにはお勧めしない。91年の物は最悪だ。まぁ、とにかくこのエントリを読んだら黙って楽天のサイトからハーフを一本注文するがよろし。三万円以下でこんな体験ができるならほんと安いと思えるからさ。うん、今日はこんなとこ。