21st/july/2006 NYC-day19

kemurin012006-07-22


「マンハッタン最高級コンドミニアム」の座を新たに獲得することが確実な、Fifteen Central Park Westを視察に行ってきた。といっても当該物件の完成は今からちょうど1年後であるため、行って説明を受けてきたのは、カーネギーホールに隣接するカーネギータワーの最上階である44階ワンフロアーをすべて使ったセリングオフィス兼モデルルームだ。俺様がこれまでに最高級クラスのコンドミニアムを視察したのは、国連の目の前に立つトランプワールドとコロンバスサークルに立つAOLツインタワーの二つがあるが、今回の物件はその二つを遙かに凌駕する、おそらく世界最高のコンドミニアムだ。たぶん今回Fifteen Central Park Westが出来るまでは、上記2物件がマンハッタン最高級物件の座を争っていたのは間違いない。トランプワールドは松井秀喜とディレク・ジーターが住んでいるし、特にジーターが住んでいるのと同じペントハウスは広さ504㎡、天井の高さ4.8㍍という驚きのサイズで、値段は13.5ミリオン(以下すべて単位はドル)だった。これでは比較しにくいのでミドルクラスの3ベッドルーム265㎡だと、4.6ミリオン。以上すべて1年半前にワイフを連れて実際にこの目で見てきたが、3ベッドルームからでもクライスラービルエンパイアステートビルの夜景がこれ以上はないだろうというほど完璧な角度で見え、暫く、というか何時までも目を離すことが出来ない。また設備の高級感からも、充分世界一を感じさせるものであった。かたやAOLは場所がきわめて良い。超高級エリアの代名詞であるコロンバスサークルを正面に配し、タワーの一部はマンダリンオリエンタルホテル、周辺の雰囲気はニューヨークとは思えない、あたかもパリ16区のような高級感のある場所柄だ。場所代、ということなんだろうが、240㎡の3ベッドルームで値段はトランプを大きく上回る7.2ミリオンであった。よって今までは、世間から一定の距離を置いて静かに暮らすならトランプ、街の中心地で派手に行くならAOL、という二つの選択肢が、ニューヨークで最も勢いのある人間が選ぶ選択肢だった。ところが、である。AOLのすぐ近くに建設中のFifteen Central Park West(以下15CPWと表記)はこの二つのコンドミニアムを遙かに上回る。まずは場所。AOLがその立地上、いくらコロンバスサークルに面していると言ってもセントラルパークを見渡した場合、コロンバスサークルの対角に立つホテル、トランプインターナショナルがどうしてもオブストラクションになってしまう。これは結構気になるレベルで、まるでトランプワールドと同一グループであるこのホテルが、AOLが「マンハッタン最高」の座を獲得するのをオブストラクトしているかのような構図なのだが、トランプインターナショナルの北隣、セントラルパークに隣接してしまっている15CPWには当然一切のオブストラクションがなく、パークをまるで我が家の庭のように使えてしまうのだ。パークに面したこの特別な立地は、その表記アドレスにもアピールされている。ニューヨークのアドレスは99.9パーセントが、たとえば150 west 51stとか325 5th Avenueのように隣接する道の何番地かという表記であるが、セントラルパークに隣接する場所だけが「Central Park East」「Central Park South」「Central Park West」という特別なアドレスを与えられる。これはすなわち、パークを自分の物のように使用している、ということの象徴であり、そのアドレスに住んでいるということは、その人間が本当に限られた一部の特別な社会的立場にあるということを意味し、あらゆるシチュエーションでそのことがプレミアムな力を発揮する。このうち「Central Park East」はその殆どが各国の公館、「Central Park South」は大半がプラザやリッツカールトンなどのホテル、Northがハーレムであることを考えると、殆ど「Central Park West」だけが取得可能なParkアドレスなのだ。此処まで書いて察しがついた人もいると思うが、「Fifteen Central Park West」というコンドミニアム名は、それがそのまま当該アドレスなのだ。しかも此処は、単なるCentral Park Westではない。Central Park Westでもショッピングゾーンであるコロンバスサークルに近づけば近づくほど地価は上がるのであるが、建築地は最南端であるトランプインターナショナルの北隣であることから、おおよそ考えられる最高の場所であることが分かる。ちなみに有名なダコタハウスは15CPWから12軒ほど北に位置する。前置きが非常に長くなってしまったが、セントラルパークに面した側の3ベッドルームは、250㎡で11.6ミリオン、300㎡で13.6ミリオン、ちなみに210㎡の2ベッドルームでも9.5ミリオンである。驚くべきは、内装も殆ど同じでただ眺望だけがセントラルパークとは反対のブロードウェイ側の低層階というだけで、やや狭い195㎡の2ベッドルームが4.9ミリオンであること。何度も確認したのだが、ほぼ眺望だけで値段が4.5ミリオン上がるというのだ。そしてその殆ど二倍の二つのコンドミニアムの中間に位置する物件は存在しない。完全なる真空地帯だ。つまり世界には、この差額を承知した上で笑ってサインできるミリオネアが相当数いる。これが事実だ。ちなみにスティングがここの最高級物件であるペントハウス・デュープレックス500㎡を29.5ミリオンで購入済み、という話は、此処まで来るともう蛇足にしか聞こえない。

最後にこのコンドミニアムプロモーションサイトを紹介するので、あとは映像で確認して欲しい(ちなみにビルディングはまだないので、外観や館内の映像は全てCGで作られている)。ビルディングの外観、ロビーやエントランスの雰囲気、どれを取ってみても今までの何処まで行っても垢抜けないアメリカンコンドミニアムとは一線を画したセンスを誇る。

それから折角コンドミニアムを買ってもビザの件でいろいろと面倒だったら意味がないなと思ったのだが、アメリカでは不動産でも何でも、1ミリオン以上投資した人にはその家族を含め永住権が与えられるとのこと。相変わらずの分かりやすさに、ちょっとやる気が出てしまった。