今日の登山(猿投山6/11)

kemurin012006-06-11


今日は予定通り早起きして、トヨタ自動車豊田市にある猿投山(さなげやま)に登った。猿投山というポップな名前は、「昔、第十二代景行天皇が伊勢の国に旅行した際、可愛がっていた猿のいたずらに腹を立て海に投げ捨てた」という漫画チックな故事に由来する。標高は632㍍、標高差は約490㍍、と毎週登っているとはいえ登山歴まだ45日、300㍍ちょっとの低山をホームとしている俺様にとっては、少し挑戦含みの立案だ。

現地の駐車場に到着したのは朝の9時過ぎ、準備とストレッチをして9時半から登り始めた。最初の30分は緩やかな舗装路だったから余裕だった。綺麗な森の中だな、霧雨も良いもんだな、とか思ったりしていた。しかし御門杉というエントリーポイントを越えて本格的な登山道に入ってからは、まじ死んだ。最近ずいぶん変わったな、と思っていたけど、やっぱり俺様はキャビアを食い過ぎてシャトー・ディケムを飲み過ぎた37歳の一個のちょいぷくオヤジだった。息はぜえぜえと上がり、足を一歩踏み出すたびに「ああ、もう今日は頂上までは無理かも知れない」という弱気に苛まれた。昨日の全仏オープンを見てエナン・アルデンヌに貰ったはずの前向きな気持ちなど何処にもなかった。精神力など体力の土台に立つ「砂の城」だという当たり前の事実を背中に重く背負いながら、三度ほどの休憩を取りながら1時間ほど登ると、次第に身体が馴染んで急速に余裕が出てきた。ま、いつものパターンと言えばそれまでなのだが、此処までが本当にしんどい。このコースのように序盤が一番きつい登山道だとなおさらだ。ようやく調子に乗り、楽しくなってきたら「ブーン」という爆音とともに、いきなり目の前30㌢にスズメバチがいた。う゛あーーーーーー!!と腹の底から叫びながら、100㍍11秒台でバックした。漫画じゃないんだから両手は上げていない。めちゃめちゃドキドキしたが、此処で戻ったらあの地獄の時間は何だったんだ、と思い、耳と目に全神経を集中させながら全力でそこを通過した。今日はワイフが一緒じゃなくて良かったと、ちょっとだけ思った。頂上まであと少しとなったところで、雨の降りが本格的になってきた。いつもは重いだけで無用の長物のレインウエアが役に立って良かったと思いながら、ついでに一枚だけ持ってきていた替えのシャツに着替えた。汗と雨でびしょ濡れになって冷えていた身体が温まり、元気が出た。その体温の温まりが、登頂を確信させた。そこからは別人だった。20分後に頂上で写真を撮り、2分の休憩のあと一度の休憩も取らずに一気に下った。駐車場に俺様のBMWが見えたとき、ぐうたらな俺様がまた一つ小さな事をやり遂げてしまったと、降りしきる雨が充実感の粒に変わり俺の周りを満たした。その後、車の中で車内に置いておいたもう一枚のTシャツに着替え、近くにある猿投温泉に疲れを落としに行ったのだけれど、入浴後、髪の毛にドライヤーをあてていたら、顔の輪郭に以前のシャープさが戻りつつあることに気づいて、まじびっくりした。おいおい、もう「お腹ぷっくり」の可愛さで売るしかないと諦めていたけど、パタリロ路線で行くのはまだまだ早いんじゃないの、俺様は!!この野郎!!

ええと、今日の記録。基準タイム「登り2時間・下り1時間半」のところを、登り2時間、下り1時間10分でした。また来週もどっかの山を登るぞ、おりさまはー!おーーー!