★ライブドアによる買収失敗劇を劇場の窓の外から静かに凝視する沢山の青い目★


ほりえもんの敗退が濃厚となった現時点において、今更彼らについて多くを語るつもりはない。既存株主の何人かに首を吊らせた彼らの無知を装った偽善者振りには嫌悪感を感じるが、もともとライブドアなどに投資した時点で遅かれ早かれ市場からの退場という棺桶に片足突っ込んでいたも同然なのだから、既存株主達に対する同情などという物もあまり感じない。ただ、ライブドア経営陣の嘘くささに耐え難き生理的嫌悪を感じるのだ。大量の貸株付きでMSCBを発行しておいて、以下のように善意の第三者ぶるのはいかんだろうと。


ライブドア副社長:熊谷史人氏のBLOG「日々の業務(IR等)」2005年02月18日付けエントリー『感じることを率直に。』より引用

株価の下落はつらい。
また、リーマンブラザーズ証券があたかも株価を下げようとしているかの
報道も悔しい。
私募CBの発行そのものを批判する声も悔しい。
ToSTNETの取引をTOBでやるべきであるという声が政治家からもあがっている
状況をみて落胆した。

株価に関しては、今日も機関投資家6社を順にまわって説明して、
ライブドアの意図するところを説明してきたが、今日も株価が下がっていて、
非常につらい気持ちである。


MSCBを発行するなら、「一時的に株価は(大幅に)下がるかも知れませんが、必ず買収を成功させて近いうちに株価が大きく上がるように努力しますから。短期的にはどうかご辛抱下さい」ぐらいのことを言ったほうが気持ち良い。まぁ現実には買収も失敗するわけだから仮にこう言っていたとしても有言実行には成らなかったわけだけど。なんにしても、貸株をした時点でリーマンブラザーズが大量売りを掛けてくるのが分かっていたくせに、それをしらばっくれる厚顔無恥さが信じられないのだ。私がライブドアブログを離れた一番の理由はここにある。


おっと、こんなことを言うためにこのエントリを書き始めたのではなかった。そんな感情論はともかく、今回の買収(失敗)劇を興味深く見つめていたのは劇場内にいたわれわれだけではないということを思考的にクリップしておく。劇場の外側から静かに見つめる青い目の存在があったはずだ。そしてそれは勢力的には今回の小さな劇場を何重にも取り巻くほどの力を秘めている。つまり何が言いたいのかというと、俺様は近頃の日経平均の気持ちの悪いほどの底堅さに違和感を感じていて、それはもちろん外国人買いに支えられているに違いないのだが、上がらずとも買い続ける彼らの確信めいた意志のような物が来年の商法改正にあるのなら、最大の変更点であるM&Aの簡易化の一年前の序曲として機能し、それによって導かれる関係各所の今回の対応は注視されていたに違いないと思う。


此処まで来るとほとんどSFだが、来年から本格化する(かもしれない)M&A合戦の市場環境調査としてほりえもんと歪な資本関係を放置していたフジサンケイグループの隙が利用されたのかもしれないと夢想したりしている。いや、そんなサスペンスめいたことを考えてしまうほどに、日経平均が奇妙に底堅いのだよ。もしそうならば、今年中に12000どころか13000円を叩きに行っても全く不思議じゃないと思う。もちろんその可能性は未知数だが、あらゆる実現可能性に備えておくのが有能投資家なんでね。w