★モナコというインチキ国家(後編)

今回は表題にあるように「みんなの憧れの国モナコ」の後編を書くぞ、この野郎。つうか、俺様がモナコに行くまで、ほとんどモナコの悪口をいうヤツがいなかったと思うのだが、これは一体どうしてだ?

実際に行くヤツが少なかったから?いや、これはないと思う。オテル・ド・パリ、オテル・エルミタージュ、モンテカルロビーチホテル、オテル・ミラボーを束ねる、モンテカルロリゾートのウェッブサイトにも、英語・フランス語などに混じってしっかり日本語バージョンがしかも丁寧に作ってあるし、街を歩いていると、ニースほどではないにしろちょくちょく日本人を見かける。それに、「ビジネスクラスで行く、モンテカルロの旅140万円」なんていう厚顔無恥なぼったくり高級パックツアーも平然と売られているようだ。

もしかして、公然と悪口を言うと、レーニエのおっさん(モナコ大公ね)がヒットマンを送り込んでくるとか?この可能性は完全には否定できないのではないかと「モナコ後」の俺様としては思ってしまうが、まぁ、エスタブリッシュメントならともかく、影響力の少ない俺様レベルの末端までそんなものを送っていては、費用対効果が疑われるところだろう。

ではなぜか??それは恐らく、いままでは「言葉のできる・小金持ち以上の・個人旅行者の」日本人が少なかったからではないだろうか。

海外を旅行していると、日本人はよく目立つ。まず姿勢が悪いし(しゃんと立て!この野郎!)、自信なさげだし(胸を張らんかい!この野郎!)、ガイドブックを見ながら歩いている(あほか!そのぐらい頭に入れてこんかい!この野郎! せめて見るのは地図だけにして、それ以外のインフォメーションは小さなメモに取らんかい!この野郎!)。そしてこれらネガティブな特徴のほとんどは、圧倒的なほどの語学力のなさと深く関わりがある。

小金持ちなどというのは、掃いて捨てるほどいるのはご承知の通り。しかし、近年はその構成に置いて、変化が見られる。たとえばファーストクラスにはIT関連や個人投資家の割合が増えた。つまり、一見してこの人は一体何をやっているのか分からないという金持ちが最近は増えている、ということだ。ただ「今までの」という文脈で語る限り、上記の傾向は当てはまる。これまでは小金持ちが掃いて捨てるほどいたとしても、とくに古い形態の層のほとんどは、語学力がなかった。

個人旅行者、これもかなりいた。この層は、わりと語学力はあるのだが、最近少しずつ変化の兆しはあるとはいえ、その大多数はいまだバックパッカーかそれに準じたものが占めている。(ただ、ここニューヨークには、言葉もほとんどできないのに体当たりで兎に角やって来ちゃっているバックパッカーみたいな若いカップルが、山ほどいるけど)

つまり、上記の「言葉のできる・小金持ち以上の・個人旅行者の」という全ての条件を満たす日本人は、これまで少なかったのだと思う。そして、この条件を全て満たす人間がそこに行ったとき、はじめてモナコはそのインチキっぷりを遺憾なく見せつけてくれるのだと俺様は考えている。以下にその根拠と具体事例を述べる。

国家ぐるみのインチキ、それはモナコのリゾートの要所を全て支配する実質国営企業、「SBM」を介して行われる。SBMは、上にも書いた、オテル・ド・パリ、オテル・エルミタージュ、モンテカルロビーチホテル、オテル・ミラボーといったモナコ中核主要ホテルの他に、カジノの殿堂「Le CASINO」、パリのオペラ座と同じガルニエが作った「オペラハウス」、観光名所にもなっている「カフェ・ド・パリ」、さらには海辺のセレブリティディスコ(名前は忘れた)まで、とにかく観光の主要スポットの大半を抑えている。そしてモナコ全体を支配しているというのに、その会社名SBMとはなぜか、「Societe des Bains de Mer (Monte-Carlo)」、日本語で言えば「モンテカルロ・海水浴会社」という人を喰った名前。これは、カジノが禁止されているフランス政府の目を盗んでカジノを開くためのフェイントにほかならず、この点だけを見ても、この国の基本姿勢がちらつくというものだ。

それでは、いよいよその具体例を書くぞ、この野郎!!

まず第一に、モナコ唯一のミシュラン三つ星レストラン、かつSBMのメインダイニング「Luis XV(ルイ・キャーンズ) 」は信じられないほど不味い!かつ、おまけに超手抜き。ここはかの有名シェフ、アラン・デュカスのレストランで、彼が史上最年少でミシュラン三つ星をとったという伝説を持つ、オテル・ド・パリ内にある超有名レストラン。しかーし、ここは前菜も不味けりゃメインも不味い!でもそんなことはまだまだ序の口。アペリティフは、手抜きのため、カクテルなど作るわけもなく、高級シャンパン3種類の中から選ぶしか道がない、もちろん向こうには値段などその場で説明する気もさらさらないが、あとからチェックしてみてびっくり、1杯40ユーロ、ふたり分2杯で1万円を優に越える請求が来る。まだアペリティフだぞこんちくしょう。もちろん、アペリティフをいらないと言える雰囲気なぞそこには微塵もない。そのくせ、普通のスリースターレストランなら、そこで趣向を凝らしたおつまみが来るのだが、ここはなんと、えびチップだ。一杯五千円以上のシャンパンにえびチップとはこの野郎!!しかも、普通ならばそこでゆっくりしながら15分ぐらい掛けてゆったりとメニューを選ぶのだが、5分も経たないのに、まだかまだかと急かしてくる。馬鹿か、おまえは!!落ち着いてメニューを選べないじゃないか、この野郎!!そして前菜が運ばれるまえにシェフのご挨拶代わりにサービスされるアミューズも、なんと「野菜スティック」だ、この野郎!!おまえの挨拶はこんなもんか、俺様達を馬鹿にしてんのか、この野郎!!とまあ、こんな具合なんですよ。そんなこんなで始まったディナーが、最後の最後まで光るものを見せるはずもなく、少しでも味の分かる客達はみな一様に、暗鬱とした表情に包まれるのであった。俺たちが行った時には唯一、なぜか赤いTシャツ一枚で店に来ていためちゃめちゃ浮きまくりのアメリカ人らしき太ったおばちゃんだけが、おいしいおいしい、といって盛り上がるのみであった。それがまた余計、他の客達の肩を重くする、というナイスな存在であったのだが。 それでも請求金額だけは超一流。ふたりで680ユーロ、9万2千円とくるから、「これってどっきり?」と疑いたくもなる。支配人を呼んで、アランは週に何回パリから飛んでくるんだ、と聞けば、「一月に三回、いや一回ぐらいです」とぼそぼそと答えやがる。あほか、話が違うだろ、ガイドブックには一週間に何度もパリとモナコをジェットで往復する、と書いてあるじゃないか、この野郎!!とにかく「このレストランは何だ?味もサービスも最低だ!」といって席を立ったが、翌日お詫びの品と手紙を部屋に届けた位じゃ、断じて許してやらないぞ、この野郎!! ということで、今これを書いている。

とにかく、後もひどいんですよ、この野郎!! 「Le CASINO」の前の駐車場に、フェラーリやらランボルギーニやらベントレーやら10台ぐらいが止まってて、しかもそれが毎日日替わりで入れ替わるもんだから、こりゃすげえな、この野郎!と思って中に入ってみると、そんなものを乗ってきそうなヤツなぞどこにもいない。ハイローラー用の奥の部屋も、今日は休業中です、と来やがる。そうです、これは株でいうところの「見せ板」なんです。あとは、オマールが食べたくなってシーフードレストランに行くと、こっちがオマールだっちゅうてるのに「ロブスターもどうですか、ええ、ええ、このロブスターはオマールと一緒に食べるとすごく美味しいんですよ、じゃ、そういうことで」と訳の分からん事を言いながら奥に引っ込む。今のいくら、と聞くと、「えっと、オマール2匹とロブスター1匹で、食材だけで500ユーロです」と来る。アホかおまえ、そんなもん食えるか、取り消しやがれ、ばか野郎!!というと、少し奥に引っ込んで「すみません、もう殺っちゃいましたぁ」だと、この野郎!!

とまぁ、こんな感じだ、この野郎!!オテル・ド・パリとエルミタージュに至っては、ファシリティーが良いので、うっかり騙される人間もいるのだろうが、大人しい平民のエリアから一歩でも金持ちの世界に踏み出そうとすると、こんなクロスカウンターが待っているのだ。兎に角、モナコに行くのなら、モナコ国内に泊まるのではなく、ニースに泊まって車で行くか、モナコよりちょっとニース側にいくつかある「隠された秘密のリゾート」を見つけだしてそこに泊まり、フレンチレストランは、エズ・ヴィラージュの二つ星レストラン「シャトー・シェーブル・ドール」に食べに行く、これ最強。ほんとうの金持ちはそうしている。そして、国家ぐるみのインチキっぷりをひやかしに、モナコに見学に行ってニヤニヤする、これに限るのだ、この野郎!!