俺様の週末

kemurin012006-05-14

5/12の金曜日は、愛知県芸術劇場で行われた名古屋フィルハーモニーのコンサートを聴きに行った。指揮者が小林研一郎(愛称:コバケン)だったからだ。日本人の指揮者で「この人は良い指揮をするな」という人はそれなりにいるけれど、「この人は凄いぜ!」と俺様が思う指揮者は二人だけ。一人は井上道義(愛称:ミッキーw)と、もう一人がこのコバケンだ。

コバケンを聴くのはたぶんこれで四回目だと思うけど、毎度毎度100パーセントの確率で心を打ちやがる。ベートーベンの第五交響曲「運命」のような聞き飽きた曲でも「おいおい、これってこんな素晴らしい曲だったんだ」と目から鱗をはぎ取ってくれるし、それがチャイコフスキーの第五交響曲のようなドラマチックな曲だったら、そのインパクトはハレー彗星が俺様の胸板をぶち破ってその衝撃で開いた穴のところがなぜか小宇宙になっていて銀河が一つ静かにくるくる回ってる、というぐらいの大きな体験に俺様などは感じられてしまう。

今回の曲目は、スメタナの「わが祖国(全曲)」。六つの楽章からなるシンフォニックポエムで、第二楽章があの有名な「モルダウ」のヤツ。「わが祖国」といえばそれまで「モルダウ」以外は何の印象もなかったのだが、それは雪解けの沢のように美しく、そしてアレキサンダー大王の行進のように格好良かった。ワイフと二人で「やっぱりコバケンはものが違うよねー」と言いながら、心の底流には彼に感謝を感じながらその夜は帰路についた。

5/13の土曜日と今日5/14の日曜日は、全く予想外の土日となった。先週バンフから帰ってきてからというもののすっかり山歩きに目覚め健康的になってしまった俺様達は、うっかり早起きするとついうっかり朝の散歩などしてしまう、というような信じられない変態になってしまったのだが、土曜日は早朝散歩のあとの早朝喫茶店奥飛騨温泉郷の特集記事を見かけた事で燃え上がり(注:このときまだ6:30。たぶん寝不足でどっかおかしかったんだと思う)、急遽、山の装備とともに、奥飛騨温泉郷への三時間のドライブに出発してしまったのだ。しかもドライブしているうちにあまりの早起きが祟って眠気を催し、「なんか日帰りでかえるのが面倒くさくなっちゃったな、おりは」と、またもや急遽宿泊先を探し、平湯温泉という日本アルプスのエントリータウンで一泊し、さらにまたもや早起きして8時にチェックアウトして長野県の上高地まで行き、上高地バスターミナルから徳沢までの往復4時間10分のハイキングコースを3時間で全力クリアーし、車を飛ばして二時間半で名古屋の自宅まで帰ってきたのが、今から1時間半前の午後五時です。

一体どうしちまったんだ、俺様は。ほとんど体を動かす必要がなく、年々、お腹がぷっくりしていくのをただ見つめているだけの模範的なスーパートレーダーだった俺様なのに。

正直自分でも戸惑っています。つうかもちろん、「自覚的多重人格者」を自認する俺様は、「全ての人の心の中にはいろいろな自分がいてそれぞれが矛盾し合っている」というのを知っているのだけれど、俺の中に新しく生まれたこのトレッキング野郎の小さな俺様が、今度は、片山右京が毎年主宰しているファンを集めての登山会に目を付けたらしくて、参加を虎視眈々と狙っています。今年は8月、しかも場所は富士山!

どーなんの!?大きな俺様は!?